2013.06.23

社会福祉法人の地域貢献ー特養をよくする特養の会勉強会

 昨日、今日と神奈川県湯河原町で、特養をよくする特養の会の定期学習会が行なわれた。今回のテーマは「社会福祉法人の地域貢献」、講師に、この3月まで大阪大学大学院教授だった、元厚労省老健局長の堤修三さんを迎えた。
 昨年、ユニバーサル志縁社会創造センターでは厚労省の助成金を得て、「社会福祉法人のあり方調査研究事業」に取り組んだ。堤さんに委員長をお願いし、特養をよくする特養の会のメンバーなど現場の理事長、施設長を委員に迎えて研究会を開催し、その結果を「今こそ、社会福祉法人のあり方を問う」と題した報告書にまとめた。その執筆、とりまとめをお願いした堤さんに上記のテーマで講演をお願いしたのだ。

 戦前の福祉活動は主に民間団体の慈善活動として行なわれた。慈善活動とは、止むにやまれぬ思いから身銭を切って行なうものを言う。自分に資力がなければ人々から寄付を募ることから始めなければならなかった。ところが、戦後、GHQの方針で政府、自治体が民間団体に補助金等の支出をすることが禁じられた。福祉の活動は公的責任とされ、政府や自治体が自ら行なうことが求められたのだ。そこで時の政府が編み出したのが社会福祉法人という制度だ。他の民間団体と区別し、社会福祉法人は公的役割を果たすために政府、自治体の支配下にあるものとした。(1951年 社会福祉事業法)以後、社会福祉事業は専ら社会福祉法人が行なうことになり、2000年の介護保険法施行まで続いた。「慈善」により始まった福祉活動が「公共」の事業を行なうことにより、徐々に、身銭を切る事業から公的な資金を受けて行なうものに変質していったのだ。

 さらに2000年からはNPOや株式会社も市場参入することになり、一部(第1種社会福祉事業)を除いて、福祉事業は社会福祉法人の専売特許ではなくなった。そして、他の法人と同じような事業を行なっているにもかかわらず(社会福祉法人が行なう事業の質が他の法人よりも高いということはない!)、社会福祉法人のみが法人税のみならず固定資産税も免除されている。もはやこの差に合理的根拠はない。今のままでは早晩税制優遇の見直しが不可避だろう、また、第1種社会福祉事業、(例えば特養)に他法人の参入が認められていない合理性もないと言って良いだろう。

 上記のような状況の中で社会福祉法人の税制優遇を続ける根拠があるとしたら、非課税によって浮いたお金を慈善事業のために使うことしかないのではないか。全国の社会福祉法人は、あらためて福祉活動の原点に立ち返って、慈善事業に積極的に取り組むことが求められている。

 概要、上記のような内容だった。

 一部の執筆を担当した私も30分時間をもらい、「地域包括ケア」「生活困窮者支援」「ユニバーサル就労」という3つのキーワードで、社会福祉法人が果たすべき役割について話をした。

 報告書を読みたい方は、生活クラブ風の村企画部(043-309-5812)または私宛(ikeda.toru@kazenomura.jp)にご連絡下さい。