2011.10.21

久しぶりに、特養多床室問題

 地方分権一括法が制定され、特養の居室定員は都道府県が決めることになった。国は、「参酌基準」を示すことができるが、自治体は従わなくても良い。その国は、居室定員は1人、つまり個室が望ましいという参酌基準を出す方針だ。しかし、東京都が他の自治体に先駆けて、4人以下、すなわち4人部屋までは認めるという方針を打ち出し、宮城県もこれに続いた。

 昨年、この問題でずいぶん動いたし、ブログにも再三書いてきたが、先ほど知人にこの問題で長文のメールを打ったので、その内容の一部をここでも紹介する。

 低所得者はホテルコストが発生する個室ユニット型には入居できないから多床室の整備もやむなしという自治体が増えています。しかし、考えてみて下さい。「たまゆら問題」を契機に、東京都の要望で制度化した都市型ケアハウスだって個室ですよ。もし、都市型ケアハウスを4人部屋にするという方針が出たら、人権侵害という声が各所から出るでしょう。生保の人は、一人住まいのアパートなど贅沢だから、20畳の部屋に4人で住めということになったら、どうでしょう。
なぜ、特養だけが4人部屋もやむなしということになるのでしょう。それは、政策を作る側の人に、どうしても病院と特養を同一視する気持ちがあるからではないでしょうか。
 しかし、半月、1ヶ月で退院する病院と平均4年強、長い人は10年以上暮らす特養とは、まったく違います。ポータブルトイレの音や臭い、いびきや歯ぎしり、その他、プライバシーがまったくない雑居部屋に暮らせというのは虐待に等しいのではないでしょうか。

 行政は、特養の4人部屋が必要というなら、都市型ケアハウスの雑居も認めるべきです。生保の人をおもな対象として制度化されたのが都市型ケアハウスであり、4人部屋特養との違いは、片方が身体機能が自立した元気な人、一方が物言わぬ要介護状態の人という違いしかないのですから。

 例えば、あなたなら、10.65?の4人部屋と、7.43?の個室のどちらを選びますか。私は迷うことなく後者を選びます。赤の他人と何年も同居などできません。少々部屋が狭いくらい、何でもありません。

 7.43?というのは認知症グループホームの居室面積基準です。
グループホームは認知症ケアの切り札として制度化されたものです。認知症ケアに個室は不可欠なのです。その観点からも、80%以上が認知症で、しかも重度者が増えている特養で多床室はあり得ないのです。
 現在の個室特養がどうしても低所得者にとって利用しにくいというなら、多床室にするのではなく、居室面積基準をグループホームレベルまで下げるよう、国に要望するべきです。私自身は、現在の10.65?から下げるべきではなく、補助のあり方を再検討することで、低所得者でも入居できるようにすべきだと考えていますが。