2011.10.26

2冊の本

 私は、未だに「困ってるひと」ショック冷めやらず、会う人ごとに「読んだ?」「読んで!」「大野更紗知ってる?」を続けているのだが、別の2冊の本を紹介する。

 1冊は、「困ってるひと」と前後して読んだ「「病院で子どもが輝いた日」(あけび書房)、初版が出たのが1995年だから、16年前の本だ。子どもを小児ガンで失った斉藤淑子さんと、新宿区立「あゆみの家」で在宅訪問指導の非常勤職員として働いていた坂上(さかうえ)和子さんの共著だ。

 ガンなどの難病で幼くして長期に渡る入院、そして過酷な検査、治療を受けている子どもたちがいる。私が入院生活を初めて経験するのは高校1年のときで、およそ2カ月、次は大学に入った年に8カ月だった。これくらいになれば痛い検査を我慢することも、手術の不安を自分で消化することもできる。しかし、乳児、幼児はそうはいかない。私の入院中にも幼い女の子が長期入院しており、本当にかわいそうだった。

 この本は、今では多くの病院に広がっているだろう病院内保育、教育の取り組み、事例を綴ったものだ。当時は、病院内のことは病院スタッフがやるものという医療側の意識が強く、院内保育、教育への理解があまりなかったのだが、筆者らの献身的な活動で多くの子どもたちが救われた。

 「病院で一番嫌なことは何?」と、子どもに問う場面がある。耐え難い苦痛を伴う検査や治療と答えることを予想して。しかし、返事は「退屈なこと」だった。たとえ闘病中の子どもたちでも、友だちとともに遊んだり、勉強したりすることが如何に大切か、そのかけがえのなさをこの本は教えてくれる。

 私は、10年ほど前に、世田谷のマクドナルドハウスを見学したことがある。長期入院する子供には親が付き添うことが多い。マクドナルドハウスは、病院のそばにあり、親が滞在するためのホテルを運営する。1泊1000円程度の価格で。子どもの長期入院は家族にとっても大変な苦労を伴う。医療費もそうだが宿泊費も馬鹿にならない。マクドナルドハウスはそうした人たちのためのホテルで、ほとんどがボランティアによって運営されているのだ。マクドナルド社が全世界で展開している。

 私は、自分の入院体験のせいだろうが、院内保育のこと、家族向けホテルのこと、いずれも強い関心を持ち続けている。まずは県内の実態を調べてみようか。

 もう1冊は「スマイルレボリューション」(加藤登紀子、林良樹共著)なのだが、透析がそろそろ終わるので、こちらは後日あらためて。