2011.11.02

配偶者控除見直しが見送られるらしい

 Yahooニュースよると、社会保障と税の一体改革の一環で検討されてきた配偶者控除見直しが見送りになるという。あーぁ、またか。民主党政権になってから、国民負担が上がる政策が実行されたことは一度もないのではないか!?

 配偶者控除は、高度経済成長を支える政策として実施されてきた。1960年代から始まった高度成長は、男が稼ぎ女がもっぱら家事労働を行うという新しい家族システムをバックボーンにして成し遂げられた。専業主婦という言葉はこのころ生まれたのだ。戦前の日本にはいわゆる専業主婦はほとんどいなかった。地方の労働力が大量に都会に呼び寄せられ、都市と農村の格差が生まれるとともに、核家族が急速に増大した。現在の我が国が直面している様々な社会問題は、高度成長時代に出来上がった社会構造の矛盾がもたらしたものだと言える。ジェンダーの固定化もその一つだ。

 配偶者控除や年金の第三号被保険者制度は、女性を社会から遠ざけ、男性優位社会を維持する上で、とても有効だった。そして、企業にとっては安価な女性パート労働を利用するためになくてはならないものになった。配偶者控除の廃止問題は過去にも俎上に乗ったことがあったが、流通業界など大量のパート労働によって支えられている業界の猛反対によって、つぶされてきたのだ。

 しかし、こんなことを繰り返していては、この国がつぶれてしまう。

 国勢調査結果が発表され、日本がいよいよ人口減少社会に入ったことが明らかになった。15歳~64歳のいわゆる生産年齢人口は、実はもっと前から減り始めていた。働き手が長期に渡って減少を続けるのだ。「デフレの正体」は生産年齢人口の減少が主因であることを、藻谷浩介氏が喝破した。デフレ脱却の決め手は、これまで専業主婦や扶養控除内で働いてきた女性群の本格的な労働参画なのだ。

 「男が稼ぎ女が家事を」が時代の要請だったとしたら、男女が共に稼ぎ、共に家庭を守ることこそが、この時代の要請だ。

 なぜ、今、配偶者控除や第三号被保険者制度の見直しが必要なのかを国民に提示できず、選挙怖さに一切の負担増政策に踏み切れない政権には、社会保障と税の一体改革などできそうにない。亡国の道をひた走ろうというのだろうか。