2012.06.29

ユニバーサル就労シンポジューム第2弾

 昨日は、田町交通ビルでユニバーサル志縁社会創造センターの理事会、総会、シンポジュームが開催された。理事会が午前10時開会、午後から総会、シンポジューム、さらには夕方から懇親会と、実に長い一日だった。

 メインは、「ユニバーサル就労の社会化をめざして」と名付けたユニバーサル就労シンポジューム、1月に続いての開催なので「第2弾」と銘打った。

 「ユニバーサル就労の社会化」は空手形ではない。制度化に向かって着実に歩を進めている。昨日のシンポに出席した人は、それを実感したことだろう。

 厚労省は、「生活困窮者の生活支援戦略」を作成中で、今秋には全容が明らかになる。支援のポイントは7項目に渡っており(下のURLをクリックしてください)、その一つに「多様な就労機会の確保」がある。内容は「社会的な自立に向けた支援付きの『中間的就労』や、NPO、社会福祉法人等の『社会的企業』による就労の確保、中小企業や農業分野などの『協力企業・事業体』の拡大などを通じて、多様な就労機会を創出」となっている。ユニバーサル就労は、まさにこの「中間的就労」を含む多様な就労形態なのだ。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000029cea-att/2r98520000029cjb.pdf

 生活困窮者を含む「社会的理由」で就労に困難を抱えている人たちは、就労ブランクが長ければ長いほど、一人前の仕事ができるようになるのに時間がかかる。いきなり雇用契約を結んで仕事に就いてもどうしても要求水準に到達できず退職を余儀なくされることが少なくない。そして、そうしたことが続くと、精神的なダメージを受け、さらに就労が困難になるという悪循環に陥っていく。これを防ぐには、「支援付きの中間的就労」すなわち「雇用」が可能になるための訓練期間が必要だ。ユニバーサル就労は、まさに「支援付き中間的就労」のシステムを確立したのだ。今後、ユニバーサル就労は、「支援付き中間的就労」の一つのモデルとして、制度化に組み込まれていくことになる。

 シンポのパネラーとして、中間的就労の担い手として期待される社会福祉法人、生協、NPOの代表、そして企業労働者の代表組織である労働総連合の代表が登壇した。厚労省社会援護局長山崎史郎さんによる「生活困窮者の生活支援戦略」全般に渡る説明のあと、各パネラーから、それぞれの取り組みについて発表があった。一人13分という短い持ち時間にも関わらず、密度の濃い発表がされ、実り多いシンポジュームになった。何より、ユニバーサル就労の社会化への道筋がはっきりと見えてきたことが最大の成果だ。

 ところで、時間管理という意味でも、このシンポは実に気持ちの良いものだった。持ち時間を大幅に超過してしゃべる続けるパネラーがいると、他の発言者に大きな迷惑がかかるし、座も白ける。どんな立派な内容でも許容できないと私は思っている。パネルディスカッションというのは、定められた時間でタスキを受け渡していく駅伝のようなもので、内容がつまらないのはしょうがないが、時間をオーバーしないことは最低限のルールなのだ。1~2分のオーバーは許容範囲で、コーディネーターはそれを織り込んで時間管理をする必要がある。しかし、5分、10分となるとたまらない。コーディネーターは、終了時刻の延長が可能か、他のパネラーは時間を守ってくれるかなど、頭を悩まして、内容を聞くどころではなくなってくるのだ。「人の気も知らないで」、「自分の発言が何分かかるかくらい計って調整して来いよ」と独りごちるのだ。昨日の私は、そんな苦労がまったくなかった。そして内容もとても良かった。

 ずいぶん昔だが、友人の浅野史郎さんに持ち時間内に発言を終える「秘訣」を教えてもらった。簡単なことだ。自分が話そうと思ってきた内容の途中でも、時間が来たら「話の途中ですが、時間が来たので終わります」と言えばいいのだそうだ。用意した内容を全部話さねばならない、話したいと思っているのは本人だけで、他のパネラーはもちろん観客の誰一人としてそんなことは思っていないのだからと、彼は言った。それ以来、私はこの教えを忠実に守っている。