2012.09.07

ユニバーサル就労と中間的就労

 8月30日と9月3日に相次いで、厚労省関連の人たちが、ユニバーサル就労の視察にいなげビレッジと虹の街本部を訪れた。30日には西村副大臣も同行された。

 厚労省では、今秋に生活困窮者の「生活支援戦略」を公表すべく、議論取りまとめの最終段階にあるものと思われる。30日に訪れたのは、その議論を行っている社会保障審議会生活困窮者の生活支援戦略に関する特別部会のメンバーが中心に14人、3日には、「中間的就労に関する検討委員会」(私もこのメンバー)のメンバーと厚労省の担当職員10人程度だった。

 以前にも書いたが、生活支援戦略の柱は4つある。第一に伴走型の総合相談窓口の設置、全国にあまねく相談センターを創ることが考えられている。2つ目は就労支援の強化、特に、上記「中間的就労」の仕組みづくりが検討されている。生活保護を受給するなどの理由で一定期間就労ブランクがある人は、一人前の働きをするまでに一定の助走期間が必要だ。この期間の長さは人によってかなり異なる(ユニバーサル就労を進めてきた私たちの実感である)。これを「中間的就労」と呼び、正式雇用前の訓練期間と位置づけ、NPO、社会福祉法人、生協などの非営利法人を中心に受け皿になってもらおうと考えているのだ。中間的就労は、ユニバーサル就労における「コミューター」そのものであり、実際、コミューター制度を下敷きに中間的就労のシステムが検討されているようだ。それで上記2件の視察が行われた。

 中間的就労の最大の問題点は、悪用されると最低賃金を下回る安上がりの就労が合法化されてしまうことだ、だから、それを防ぐシステムを構築しなければいけない。ユニバーサル就労には、コミューターとして就労する人には必ず目標を定めた個別支援計画を作成するなどのバックアップシステムがあり、安上がり就労を防ぐことができるようになっている。その点が評価されているのだと思う。

  また、30日の最終視察場所は、市川の中核地域生活支援センター「ガジュマル」だった。ご存じのとおり、中核地域生活支援センターは、千葉県だけにある総合相談センターで、県内13ヵ所で24時間365日、どんな相談にも対応している。障がいを持った人の相談が多いが、近年は生活困窮者、いくつもの困難を抱えた人の相談が増えている。この中核地域生活支援センターが、生活支援戦略の「伴走型総合相談窓口」のモデルとして注目されているのだ。

 千葉から始まった2つの活動が国の政策となって全国に広がろうとしている。