2011.06.03

酒田に行ってきました。

 昨日は、酒田の平田牧場に行ってきた。生活クラブ生協との40年に及ぶ提携生産者であり、私が生活クラブ東京に就職した時期とほぼ一致している。ユニバーサル志縁社会創造センターの設立に向け、協力のお願いに行ったのだった。平田牧場に行くのは何と22年ぶり、創業者で現会長のNKさんにお会いするのも、恐ろしく久しぶりのことだった。

 4年前に、思いもかけないところでNKさんの名前を目にして、驚嘆した。多田富雄氏の著作「寡黙なる巨人」の紙上でだ。ご存じの方も多いと思うが、多田富雄さんは世界的な免疫学者で、能作者としても趣味の域をはるかに超えていることで有名だ。1993年に出版された「免疫の意味論」は私に大きな影響を与えた。

 ところが、2001年に脳梗塞で倒れ、言葉を失った。「寡黙なる巨人」は、闘病時代に書かれたものだ。最晩年には、厚労省が医療リハビリの日数に制限をかけたことに激しく反発、リハビリ患者を切り捨てるものと、不自由な体であるにもかかわらず、反対運動の先頭に立ったのだった。

 その本の中に、NKさんとの親交に触れ、貴重な所蔵絵画を見せてもらったことが書かれてあったのだ。酒田に行き、多田さんが見た絵を拝見することをずっと夢見ていた。

 やっと念願かなっての酒田行きだったが、日帰りの強行軍だったので、絵を見せてもらう時間がなかった。残念至極である。

 平田牧場は、ご子息のNKさん(イニシャルが同じ)が社長を引き継ぎ、今やグループを含めると年商200億円を越える大企業に発展させた。「平牧三元豚」は日本を代表する豚肉ブランドになった。生活クラブ虹の街に加入し、平田牧場の豚肉を食べたことがある人は、その比類のないおいしさに異議を唱える人がいないはずだ。まれに、外でとんかつを食べることがあるが、例外なく後悔する。

 酒田で社長とゆっくり話をし、直営店を見学させていただき、発展する企業は発展するだけの理由があるものだと、深く納得した。「おいしさ」を最大の武器にしながらも、あくなき品質改善、商品開発、社員教育、職場環境の整備、さらにはブランディングに取り組み続けてきたことが、今につながっていることが良く理解できた。

 幹部職員は禁煙を義務付け、挨拶ができない社員はやめてもらうという言葉が印象に残る。分野は異なるが、たくさんのことを学ばせてもらえた。