2011.09.05

児童養護施設新設に応募

 千葉県が定員40人の児童養護施設を2か所新設すべく、県内の社会福祉法人に公募している。

 昨日の理事会で、生活クラブ風の村として応募することを決めた。

 児童養護施設の重要性は言を待たない。かつて児童養護施設は様々な事情で短期、長期に家庭での養育が難しくなった子どもを預かる施設だった。父親が亡くなって、生活のために働かねばならない母親が何年か施設に預けるとか。しかし、最近は入所者のほとんどが被虐待児だ。もっとも安心して甘える対象である親や肉親、保護者による虐待を長期に渡って受け続け、強い精神的混乱をきたした子どもたちが、自分を取り戻していく長い過程を職員が伴走する生活の場だ。

 最近は、県内17か所のすべての児童養護施設が定員一杯で、そのため児童相談所の一時保護施設から必要な子どもを児童養護施設に送ることができず、結果として一時保護施設も満員になり、必要な子どもの一時保護ができにくい状態になっているという。今回の県の公募は少しでも状況を改善することになり、評価したい。

 応募するか否か、常務理事で相談をした、私の考えははっきりしていた。児童養護施設の運営ノウハウを私たちは持っていない。深く傷ついた子どもたちと伴走する強い気持ちと高い専門性を持つ人がいたら手を挙げよう、見つからなければ断念しよう。徹頭徹尾、子どもの側に立って、その気持ちと日々のケアの専門性を自分だけでなくすべての職員が持つことができるような指導力を持つ人は、そうはいない。私は、簡単には見つからないだろうと思っていた。

 児童養護という世界に関して私がもっとも信頼する友人に相談した。パキスタンにいた彼が、この人ならと出した名前が、君津で人力舎という自立援助ホームを運営している高橋克己さんだった。自立援助ホームとは、児童養護施設を出た子どもたちが、自立のためにしばらくの間暮らす、小規模な住まいだ。人力舎には5人が暮らしている。

 さっそく高橋さんに会いに行き意気投合、この人がそばにいれば、きっと子どもたちが安らぐことができると確信した。高橋さんは、県立の児童養護施設で長く働き、やがてそこを飛び出してただ一人で自立援助ホームを立ち上げたのだが、再び児童養護施設に挑戦したいと、構想を温めていたというではないか。

 ピンポイントのように、素晴らしい人と出会うことができた。もちろん、応募したからといって、生活クラブが事業を行うことになるとは限らないが、この出会いはきっと無駄にならないはずだと確信している。