2013.09.15

under control

 安倍首相の発言に耳を疑った。「The? situation? is? under? control? 」、Theの発音の正確を期すために、上下の歯に舌をはさんだのがちょっと笑えたが、その後に出たこの1文に、私は、「どこが!?」思わず大声で突っ込んでしまった。安倍首相は、記者の質問に答えて under control の意味を「汚染水は東京電力福島第1原発の港湾の0・3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされており、近海の水の放射線量は問題ない値を示していること。ほかに、基準値は最大でもWHO(世界保健機関)のガイドラインの500分の1。食品や水の安全基準は日本は世界で最も厳しく、しかも実際に流通しているものはその基準をさらに下回っている」ことを根拠にした。それは、数字的には事実かもしれない。しかし、「ブロックされている」のではなく、たまたま現在の影響がその範囲に留まっているに過ぎない。現場では、この影響を広げないために、日々、必死の努力がされているのだ。ブロックされていないから政府が前面に立たざるを得なくなったのではないか!汚染水は海に流出し、地下水を汚染しているが、これに対する決定的な対策はいまだに見つかっていない。噴出する水を徒手で止めるような、絶望的とも思える状況がこれから長く続くのだ。
 安倍首相は、「健康はいまも将来もまったく問題ない。抜本解決に向けた態勢も整えた」と言った。彼は、この発言に責任をもたなければならない。汚染水の問題どころか、原子炉本体が、いまだcontrol されておらず、先行きは不安に満ちているではないか。政府は、汚染水対策に全力で取り組むとしているが、責任の所在を明確にはしていない。東電に責任を持たせるような段階ははるか以前に過ぎているのだ。というより、資金投入する前に破たん処理し、国が全責任をもって対応に当たることが必要だったのだ。それをしなかったために2年以上抜本対策が遅れたのではないか。今からそれをあげつらっても、問題は全く解決しないが、とにかく、早急に、東電主体の対応を切り替えなければならない。

 彼は、 under? control? 発言の後、以下のように言った。「東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすこともありません」 何と無神経な! 放射能の影響は福島に留まっていますと言いたかったのだろう。しかし、これは事実ではないし、また、多くの被災者、避難者の心を傷つけるものだ。五輪招致を最優先に考えたスピーチには、誇張があり得ることを否定しない。しかし、言っていいこととそうでないことは絶対にある。その境界線を簡単に踏み外す人を信用することはできない。

 しかし、とにもかくにも、安倍首相は、「言ってのけた」のだから、その言葉に何が何でも責任を取ってもらいたい。

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