2016.12.14

白洲正子「花日記」

久しぶりの投稿です。風の村八街をクリスマス仕様にディスプレーしたので、年末まで、花入れから解放されました。最近、寝る前に白洲正子の写真集「花日記」をめくっています。随筆家で白洲次郎の妻であった白洲正子は川瀬敏郎を世に出した人としても知られています。私は、その川瀬敏郎が大好きで、写真集を何冊も持っているのですが、だいぶ前に買った白洲正子の「花日記」を久しぶりに引っ張り出してみました。実は、最初にこの写真集を開いたときは、彼女の花を特にいいとは思わなかったのです。しかし、今回(多分5年以上ぶり)は全然印象が違っていて、実にいいのです。川瀬敏郎の花は、隙が一切なく、まさに真剣勝負の厳しさが伝わってきます。こんな華道家(彼はそう呼ばれることを嫌って自らを「花人」と呼んでいますが)はほかにいないと思います。白洲正子は花は素人ですが、川瀬敏郎を評価しただけに、生ける花はよく似ています。しかし、隙だらけなのです。以前見たときは、この隙が気に入らなかったのですが、いやいや、そこがいい!こう思うようになったのはきっと年を取ったということなのでしょう。
たとえて言うと、中宮寺の弥勒菩薩が川瀬敏郎、広隆寺のそれが白洲正子。広隆寺の弥勒菩薩が隙だらけということではないのですが、全身から漂う優しさが、白洲正子の花にはあります。

川瀬敏郎ももう68歳、さわれば切れるような厳しい花がこれからどう変わっていくのか、ものすごく楽しみです。