私たちは働きづらさを抱えた方が、働きやすい仕組みを作り、ともに働く取り組みを約15年前から始めています。
「働きづらさ」って何?と思われる方もいるかもしれません。みなさんが一般的に想像する「働きづらさ」は障害のある・なしかもしれませんが、私たちの社会ではそれ以外にも多くの働きづらさが存在しています。
たとえば・・・
・学校に行けなくなって、そのままひきこもり状態になってしまった。
・以前は働いていたけど、働きすぎで体調を崩してしまって働けない状態が続いている。
・人間関係がうまくいかずに離転職を繰り返している。
・家族の介護や子育てもあるけど働きたい。でもなかなか働き先が見つからない。
・その他、働きづらい理由は人それぞれ…
こうした状況の背景には、ご本人が気がつかない病気や障害がかくれている可能性もありますが、障害や病気ではない働きづらさもあることが分かります。人それぞれの働きづらさは昔にくらべて多様になっていますが、まだまだ働き方は画一的で「一般就労できる人」「障害者手帳を使って働く人(サービスを受ける人)」の枠組みでしか働けないのが現状です。
私たちは、多くの人がその人の尊厳や個性を失うことなく働ける職場環境づくりをすることが、職員全員の働きやすさにも繋がっていく、そしてこの取り組みが広がっていくことが社会全体の働きやすさに繋がると考えて、このユニバーサル就労の取り組みを始めました。
私たちは、こうした取り組みを実現するために「ユニバーサル就労システム」という具体的な働き方の仕組みを作りました。それが以下の図になります。
<特徴① 対象は「はたらきづらいなあ」と感じていること>
一般的に仕事を探すときには大きく分けて障害者手帳を持っていない「一般就労」と障害者手帳を活用した「障害者雇用」や「障害福祉サービス」を利用するというのが一般的ですが、私たちはそのどれにも当てはまりづらい人を対象としていますので、ご自身が「なんだかうまくいかないなあ」とか「働きづらいなあ」と思っていることが利用の条件です。つまり特に利用条件はありません。
※受け入れにあたっては、ご自身が希望する通勤範囲に働ける場所やお仕事がない可能性もあり、マッチングできない場合があることを予めご了承ください。また、現在はコロナウイルスの蔓延によりマッチングがしづらい状況が続いています。申し訳ありません。
このような新しい働き方は全国的に「中間的就労」と呼ばれます。諸説ありますが、「一般就労」と「障害者雇用(障害福祉サービス)」の間をつなぐ働き方という意味合いで「中間的」就労と呼ばれるようです。ですので、私たち風の村以外にも、多様な人を職場に迎い入れ、ともに働いている職場は全国各地に展開されており、その手法も地域の事情に応じて少しずつ違いがあります。
私たちが実践しているユニバーサル就労は、こうした全国で実践されている「中間的就労のひとつ」としての位置づけもあります。
静岡県富士市では「ユニバーサル就労推進条例」という条例ができ、街全体でこの取り組みを推進しており、協力企業も年々増えており現在では150社を超えるほどになっているとか。また、岩手県の陸前高田市では陸前高田市ユニバーサル就労支援センターが開設され、多くの利用者が多様な働き方を体験しています。
◯富士市ユニバーサル就労支援センター https://f-uw.com/
◯陸前高田市ユニバーサル就労支援センター https://uwc-rikuzentakata.net/
それ以外にも関東、関西圏を中心に社会福祉法人や生活協同組合がその取組を推進しています。こうした取り組みが、今後も全国に広がっていくために、私たちは2014年10月にNPO法人を立ち上げ普及啓発活動や実践活動を展開しています。
◯NPO法人ユニバーサル就労ネットワークちば https://uwnchiba.net/
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