2021.11.26

アールブリュット展

とんぼ舎さくらの利用者の共同作品

佐倉市立美術館で、生活クラブ風の村の3つの施設(重心通所さくら、あかとんぼ飯野、とんぼ舎さくら)利用者のアールブリュット展を開催しています。あさって、日曜日の午後1時まで、今日、明日は、10時から17時までです。3年前から、画家のこまちだたまおさんに指導(多分、指導という言葉は適切ではないと思いますが、他の言葉が見つかりません。)していただいた美術作品の展示会です。

私は、10数年前に、ある本で、クオリティ オブ  ライフを「命の輝き」と訳した表現に出会いました。その本は、小児科病棟で子どもたちを支援する医師、看護師、その他のスタッフ、ボランティア、家族のドキュメントでした。小児科病棟には、長期療養の子どもたちがおおぜい入院しており、中には不治の病の子も、そして、そのことを認識している子どもも少なくありません。その病棟での子どもたちのクオリティ オブ  ライフとは、いかにして子どもたちの命を輝かせるかということなんだと思いました。

私たちは、あらゆる分野における支援の根底にICF(国際生活機能分類)を据えています。ICF(国際生活機能分類)の理念はすばらしいと心から思います。しかし、それに比して、そのタイトルはなんとも無粋で、味も素っ気もないと思いませんか。ICF(国際生活機能分類)の模式図に「命の輝き」とタイトルをつけたら、ICFの何たるかが一目で感じられるのではないでしょうか。

「命の輝き」は本来、日々の何でもない日常の中にあります。決して特別なイベントで生じるものではありません。この展覧会の作品は、毎月1日のこまちださんの指導によるもう一つの日常が生んだもので、その前の日、その次の日と地続きのものなのだと思います。

実は、こまちださんには、保育園佐倉東でも指導していただいているのですが、この展覧会には出品していません。そのことは会場に行ってはじめて知って、「幼児保育の現場では、美術活動も日々の生活の一環であり、特別のものではない。皆様に見せるものとは違う」と考えたのだなと園長とスタッフの気持ちを感じました。なるほど、と心の中でニヤリとしましたが、実は、他の施設でも、上記のように、「日常」の中に位置づけるべきという点では変わらないのではないかと思います。

アールブリュットは、世界的に広がりを見せており、日本は立ち遅れたとはいえ、最近は行政の支援も広がっています。中には非凡な才能を発揮し、その作品が高額で売れることも少なくありません。

この非凡な才能の発掘により命を輝かせ、それを生活の糧とする人が出てくることはすばらしいことだと思います。しかし、多くの利用者にとっては、日常の延長の中で「命が輝く」のだとも思います。

社会的養護を巣立った若者を支援するアフターケア事業所CANSでもアールブリュットの取り組みが始まりました。今後、他の事業所でも取り組んでみたら面白いと、私は思います。

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