ユニバーサル就労
とは
-
01「はたらきたいのにはたらきにくい」
すべての人が、はたらけるような仕組みをつくること -
02誰にとってもはたらきやすい
職場環境づくりをめざしていく
取り組み
つまり、特定の誰かのためのはたらき方ではなく、職員全員がはたらきやすい
職場環境づくりを目指していく取り組みそのものをユニバーサル就労といいます。
また、この取り組みは近年全国的にも注目をされ、さまざまな場所で実践されています。
対象者
障がいや病気があってもなくても、はたらきたいのにはたらきにくい全ての人が対象です。
またすでに風の村ではたらいていて、さまざまな事情ではたらき方を変更したい人も対象です。
- 仕事をしていない期間が長くなってしまい、どうしていいのか分からなくなってしまった。
- いろいろな就労支援機関に行ってみたけど、セミナー等に参加したり就職活動がうまくできなかった。
- 病気や障がいがあるのかわからないけど、人間関係や仕事がどうしても長続きしない。
- さまざまな病気や障がい、家庭の事情でフルタイムの仕事や求人票を見てもできる仕事が見つからない。
- 自分が抱えている事情を職場で理解してもらってはたらきたい。
ユニバーサル就労の
種類
ユニバーサル就労の特徴は「スライド式」に4つのはたらき方があり、ご本人の事情や体調等に合わせて就労ステージを行ったり来たりできることが特徴です。どの就労ステージではたらくかは、実習や日常のはたらき方をふまえ、ご本人、職場、ユニバーサル就労推進課が面談をしながら決定していきます。
ご本人と事業所が、お互いの要望に応じてはたらき方やはたらく日数・時間等を変更する等、
その人のペースではたらき方を選択していきます。
-
コミューター制度
コミューターとは継続的に通う人という意味があり、社会に出るための第一歩を支える制度です。
職場や担当の相談員が伴走しながら、雇用契約での就労を目指していく訓練的な位置づけとして活用していきます。職場ではたらきながら、仕事や人、環境に慣れていきます。 -
スライド式就労ステージ
それぞれの事情や体調に合わせてはたらき方を柔軟に変更できるよう、4つの就労ステージを行ったり来たりできる仕組みを「スライド式」と呼んでいます。
さまざまな事情を抱えながらでもご本人が希望する限り、なるべくはたらけるような仕組みづくりを行っています。また、すでにはたらいている職員が何かしらの事情で今のはたらき方が継続できなくなった時でも、すぐに退職をするのではなく一時的にユニバーサル就労を利用しはたらき続けることができます。
ユニバーサル就労の
流れ
-
STEP1個人相談
相談員との面談を行います。
人柄や抱える困難、希望する関わり方、はたらき方等を聞き取り、話し合いをします。
希望があれば、適性検査をしながらはたらき方をゆっくり考えることも可能です。 -
STEP2職場見学・所長面談
個人面談での希望をもとに該当する事業所を探し、職場見学及び事業所所長と顔合わせをします。
ご本人の希望と事業所側が求める人物像・仕事内容等が合致するかを考えるための時間です。
マッチングしない場合は再度一緒に検討を行います。 -
STEP3職場内の周知・情報共有
ご本人がはたらきやすい職場環境を整えるために、了解を得た上ではたらきにくい要因等について情報共有を行います。
ご本人の希望によっては、情報共有を所長のみにする等、範囲を限定します。 -
STEP4職場実習
両者の希望が合致し、職場の受入れ体制が整ったら職場実習を行ないます。
ご本人が職場環境・仕事内容等をよく知る、また、事業所がご本人の人柄・はたらき方等を知るための時間です。 -
STEP5職場実習後の面談
職場実習終了後には、ご本人、事業所所長、担当の相談員、必要に応じて外部の支援団体が同席し、ご本人の感想や、職場から見たご本人の様子等を共有し、実習内容を振り返ります。
必要に応じて実習期間を変更したり、他の実習先を検討することができます。 -
STEP6開始に向けた面談/
ユニバーサル就労の開始職場実習後、ご本人と事業所が継続して関わりたいと希望した場合、所長面談でその後の関わり方を決定し、就労開始となります。ユニバーサル就労の種類ごとに今後のはたらき方について充分な説明を行ない、同意を得て就労を開始します。
-
継続支援
就労開始後も、担当の相談員が必要に応じてご本人や事業所への継続的な支援を行います。
目標を設定する等、定期的な面談を通してステップアップのサポートをいたします。
職場環境に馴染み、支援が不要になった場合は終了しますが、必要に応じてその後いつでも支援を再開できます。
※現在多くの方が就労しているため、事業所の受入状況等により、マッチングができない場合もあることを予めご了承ください。
お問い合わせ先
ユニバーサル就労にご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
社会福祉法人生活クラブ人事広報部・ユニバーサル就労推進課
担当者:三上・大日方(おびなた)
- TEL
- 043-312-8788
ユニバーサル就労を広げていくために
生活困窮者自立支援制度 訓練事業のモデルとして
ユニバーサル就労は2015年に施行された生活困窮者自立支援制度の就労訓練事業(中間的就労)のモデルのひとつとして、全国に紹介されたことをきっかけに、さらにこのはたらき方を全国に広めるべくNPO法人ユニバーサル就労ネットワークちばを法人化し、千葉市での事業を開始しました。現在、全国の普及啓発はユニバーサル就労ネットワークちばを中心にネットワーク活動、導入支援等を行っています。
ユニバーサル就労の社会化・高度化について
ユニバーサル就労が始まり約15年が経過しました。その間、時代は大きく移り変わり、ユニバーサル就労も時代に合わせ改善やさらに使いやすいシステムにすべくさまざまな手法を活用しています。
現在、NPO法人ユニバーサル就労ネットワークちばを中心として、研究チームをつくりプログラム評価の策定を行っています。ユニバーサル就労の効果を客観的に図る指標を全国の実践者の皆さんと一緒に議論をし、つくり上げています。
また、このプロジェクトをきっかけに「ユニバーサル就労」を中心に全国の仲間たちと出会い、そのノウハウを共有することができるようになりました。こうした現場同士の交流を通して、ユニバーサル就労がさらに全国に広がっていくことを期待しています。
NPO法人ユニバーサル就労ネットワークちばとの連携
私たちは現在でもNPO法人ユニバーサル就労ネットワークちばと連携をしながら、事業の質向上を目指し活動をしています。ユニバーサル就労の導入や研修等をご検討の場合は、以下までお問い合わせください。
NPO法人ユニバーサル就労
ネットワークちば
法人事務局
- TEL
- 043-356-0811
- info@uwnchiba.net
- ホームページ
- https://uwnchiba.net/
※職員が外出している際は不在にしている場合がありますので、
その際はメールにてお問い合わせください。
ユニバーサル就労の広がり
宮本太郎著「共生保障<支え合い>の戦略」岩波新書
「ユニバーサル就労」とは支援付き就労と一般就労を繋ぎ、連結し多様な人々が力を発揮できる職場をつくっていくことであるとして紹介されています。
富士市ユニバーサル就労推進条例
議員提案に寄る政策条例を策定とし、行政として全国初の取り組みです。現在は150社以上の会社が登録し、地域の新しいはたらき方・就労支援の在り方を提案し続けています。
陸前高田市ユニバーサル就労支援センター
「ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり」の一環として開設。総合的な就労支援を展開。中間的就労も積極的に活用し、地域密着の取り組みを進めています。
その他、栃木県、富山県、石川県、東京都、奈良県等で実践が広がりつつあり、全国の自治体からの問い合わせも増えつつあり、地域の事情に合わせさまざまに工夫されたユニバーサル就労が実践されています。
ユニバーサル就労のあゆみ
-
2006年6月「社会的企業研究会ちば」設置
生活クラブ生協千葉の活動から生まれた生活クラブ千葉グループ連絡協議会内に、「社会的企業研究ちば」を部会として設置。県内の労働協同組合や障がい者就労を進める団体などにも呼びかけ、国内事業モデルの見学会や学習会、イタリアの社会的共同組合などの学習会を通して、自分たちが社会的企業としてできることを模索。
-
2007年12月
-2008年5月ライフ&シニアハウス市川開設時の「ユニバーサル就労マッチングワークショップ」2008年9月市川駅前(市川市)にオープンする「L&SH市川」の開発前段階での地域住民との交流や連携のためにワークショップを開始。その中で働きづらさを抱える様々な人の働く場としての提供する「ユニバーサル就労」を提案。その在り方や実現に向けた検討を地域の当事者団体の人たちとともに検討し、一歩を踏み出す。
[ホームレス支援、知的障がい者親の会、精神障害者作業所、町内会、生活科学運営、風の村等] -
2008年8月
-2009年2月高根台つどいの家開設時の「ユニバーサル就労マッチングワークショップ」2009年の高根台公団駅前(船橋市)の開設予定の「高根台つどいの家」でも市川に引き続きワークショップを開催。開設後も、「高根台つどいの家ユニバーサル就労ネットワーク会議」として継続しネットワークを強固なものにした。見直し、強化のための第2期ワークショップ、2010年11月2015年2月には、行政や労働局も巻き込み実施報告会を開催[ひきこもり支援、知的障がい者親の会、支援団体、精神障がい支援団体、障害者継続支援B型事業所、特別支援学校、ワーカーズコープ、生活科学運営、風の村]
-
2008年10月
-2009年5月ユニバーサル就労システムづくりワークショップ[第1段階]2事業所でのユニバーサル就労の手ごたえを得て、千葉県内でユニバーサル就労を進めるために、さらにネットワークできそうな団体に声をかけてワークショップを開催。ユニバーサル就労の定義、コミューター制度のルール作りなどを実施。
[ホームレス支援、ひきこもり支援団体、知的障がい者親の会、精神障がい者作業所、高次脳機能障がいの家族会、障がい者就労・生活支援センター、中核地域生活支援センター、特別支援学校、生活科学運営、生活クラブ生協、風の村等(ゲストメンバー:障害者職業センター、労働局等)] -
2010年10月
-2011年4月ユニバーサル就労システムづくりワークショップ[第2段階]第1段階ワークショップ参加団体での実装を基に、第1段階参加メンバーに声をかけ、ユニバーサル就労をさらに促進するためにシステムの整理、最終的には、社会化するために任意団体設立を第2段階ワークショップのゴールとして確認し、開催。
-
2010年11月
-2011年9月いなげビレッジ虹と風開設時の「ユニバーサル就労マッチングワークショップ」2011年夏開設する「いなげビレッジ虹と風」でも、引き続きワークショップを開催。生活クラブ千葉グループの4団体が入る複合施設のため、参加団体もさらに多様化する。キャッチコピー「私たちは会社ではたらいています」はこの参加団体の当事者の発言。その後2年、会はユニバーサルネットワーク会議を継続し、事例報告会を地域に向けて実施。
[障がい者支援団体、精神障害者作業所、地位活動支援センター、高次脳機能障害の家族会、障がい者継続支援B型事業所、特別支援学校、民生委員、ワーカーズコレクティブ連合会、VAICコミュニティケア研究所、生活クラブ生協、風の村] -
2011年6月ユニバーサル就労システムづくりワークショップ報告会
2回のシステム作りワークショップを経て出来たユニバーサル就労システム、参加団体でのユニバーサル就労事例の報告を行う。マッチングワークショップ参加団体、システム作りワークショップ参加団体、労働局、行政、企業などに声をかけ実施。
-
2011年7月
-2012年1月「ユニバーサル就労ネットワークちば」設立準備会ユニバーサル就労システム作りワークショップメンバー等、県内団体を中心に様々な立場の個人、団体が共同し、設立準備会を設置。
[障がい者支援団体、精神障がい者作業所、地域活動支援センター、工事機能障害の家族会、障がい者継続支援B型事業所、特別支援学校、重心家族会、生活クラブ千葉グループ協議会団体、障がい者就業・生活支援センター、民間企業、(株)生活科学運営、生活クラブ生協、風の村等] -
2011年7月公益社団「ユニバーサル志縁社会創造センター」設立
ユニバーサル就労を含む地域の社会的課題解決を支援するために、NPOから企業まで、誰もが暮らしやすく参加できる社会=ユニバーサルな志縁社会、ユニバーサルな地域社会の実現のための団体。
-
2012年1月任意団体「ユニバーサル就労ネットワークちば」設立
千葉県内を中心にユニバーサル就労を進めていく企業、団体に対して、取り組み継続のための支援、ユニバーサルな地域社会実現のため、ユニバーサル就労の社会化のために活動を担う団体として設立。
⾵の村で⼀緒に働きませんか?
採用サイトはこちらユニバーサル就労の取り組み
NPO法⼈ユニバーサル就労ネットワークちばと連携