渡邉 紀子 Watanabe Noriko
お手伝いした後に
「気持ちよかったよ」「またきてね」という言葉を聞くと
自分自身がほっとするんです。
一番理想に近い形で働けているという実感
25歳からこの業界に入り、風の村に入職する前はグループホームや特別養護老人ホームでケアワーカーとして働いていました。現在は訪問介護のサービス提供責任者として業務にあたっています。施設での支援の楽しさや良さはありますが、現在は訪問介護にやりがいを感じています。
訪問介護はご利用者様の家の中で過ごすので、やはりご利用者様ご自身にもそうですし、ご家族との距離も近いです。訪問する頻度が高い方ほど、いい部分も悪い部分も見えてきますよね。使うもの1つとっても生活環境で全く違うので、そういう部分でも難しさはあると思いますし、ご利用者様の家、いわゆるアウェイの状態で仕事をするのでぶつかる壁も多く、正直難しい仕事だと思います。ただ、高齢者の方が、自分の住んできた自宅で最期を迎えたいという想いに対して、私たちがお手伝いすることでそれが叶えられるのって純粋にいいなと思いますね。ご利用者様の目線で、1番理想に近い形で働けているという実感があります。
ご利用者様からかけていただいた言葉
コロナが蔓延してしまった2020年の当初の出来事です。現在の感覚とはまた異なり、特に一人ひとり考え方が違う状況でしたよね。そんな中、事業所内でコロナの感染が広がってしまった時がありました。
事情を説明するためにご利用いただいている方の家に一件ずつ行くことになったんですね。多分怒られるだろうと覚悟しながら回ったのですが、誰も怒る人がいなかったんです。「いつもヘルパーさんによくやってもらっているし、感謝しています」というお言葉をたくさんの方からいただきました。逆に「ヘルパーさんは大丈夫ですか?」とかけていただいたお言葉は、とてもありがたかったです。やっぱり日々介護職員たちがご利用者様に対していいケアをしてくれているのだなと感じましたし、いつも頑張っているみんなには申し訳ないと思う反面、ありがたいと思う気持ちが大きかったです。とても印象に残っているエピソードですね。
他にも、在宅での生活が難しくて入所になってしまうケースや、最期をご自宅で過ごすという目的で病院から帰ってこられて短期間ご支援するケースもあるのですが、そういった方のご家族から、何回かお手紙をいただいたことがあります。今はメールが主流なのに、わざわざ手紙を書いて送ってくださったお気持ちが嬉しくて、今も大切にデスクに入れて保管しています。
この仕事は“気持ち”でするもの
数年前、たまたま同僚と話したことをすごく覚えていて、今でも大切にしている考え方なのですが、この仕事は“気持ち”でするものだなって思います。
例えば、お手伝いした後に「気持ちよかったよ」「またきてね」等というお言葉をいただくことがよくあるのですが、そういった言葉を聞くと自分自身がほっとするんです。私たちが“気持ち”でお手伝いをすれば、感じていただけるものはあると思うし、ご利用者様とのやり取りの中で、自分達にも感じるものがあるんですよね。動作的なケアとして、お風呂に入れてあげたりする仕事ではないんです。
掃除や買い物1つとっても、他の人から見たらたかが掃除や買い物だと思うかもしれませんが、違うんですよね。買い物に行けない方にとっては、私たちが週1〜2回行くことによって自宅で食事が取れて、生活を続けられる要素の一つになります。部屋が汚くても生活できるって思う人もいますが、ある程度整った自宅で生活をしたいという気持ちを大切にしたいから、たかが掃除ではなく、されど掃除なんです。
在宅介護に興味がある方はぜひ一緒に働きたいと思っています。
風の村は、福祉の仕事の選択肢も多いですし、職場環境も本当に素晴らしいと思いますよ。